五体(読み)ごたい

精選版 日本国語大辞典 「五体」の意味・読み・例文・類語

ご‐たい【五体】

〘名〙
身体の五つの部分。筋、脈、肉、骨、毛皮の称。一説に、頭、頸、胸、手、足、または頭と両手両足。転じて、からだ全体。全身
※宇津保(970‐999頃)菊の宴「いもひをして、五たいをなげて、『この事なし給へ』とおこなひ給ふ」
書体で、篆(てん)、隷(れい)、真(しん)、行(ぎょう)、草(そう)の称。また、古文(こぶん)大篆(だいてん)小篆、八分(はっぷん)隷書(れいしょ)の称をもいう。

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デジタル大辞泉 「五体」の意味・読み・例文・類語

ご‐たい【五体】

身体の五つの部分。頭・首・胸・手・足。また、頭・両手・両足。漢方では、筋・血脈肌肉きにく・骨・皮。転じて、からだ全体。「五体を震わせて泣く」
書道で、五つの書体。てんれい。また、古文大篆小篆八分はっぷん隷書
[類語](1たい身体しんたい肉体体躯たいく図体ずうたい肢体したい全身満身総身そうしん・そうみ人身じんしん人体生体ボディー肉塊ししむら骨身/(2楷書行書草書隷書篆書行草三体勘亭流

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「五体」の意味・わかりやすい解説

五体
ごたい

身体の五つの部分。一般には人体を構成する五つの主要部分をいい、頭と両手、両足をさすが、頭、頸(くび)、胸、手、足をいう場合もある。転じて身体の総称を意味する用法もある。漢方では、筋、脈、肉、骨、毛皮(皮膚)の総称とする。

 詩文などでは、形式、内容から文体を5種に分類したものをいい、書体では、篆(てん)、隷(れい)、楷(かい)(真)、行(ぎょう)、草(そう)を、または古文(こぶん)、大篆、小篆、八分(はっぷん)、隷の5種をいう。

[宇田敏彦]

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