日本歴史地名大系 「乙部八幡神社」の解説 乙部八幡神社おとべはちまんじんじや 北海道:檜山支庁乙部町乙部村乙部八幡神社[現在地名]爾志郡乙部町字元町姫(ひめ)川(乙部川)河口の南、日本海に突き出た津花(つばな)(津鼻)近くにある。法人名は八幡神社。祭神誉田別命。「福山秘府」に乙部村八幡宮とみえるが、造立年不詳とする。明治三一年(一八九八)調べの社寺明細帳(乙部外四村戸長役場文書)によれば慶長六年(一六〇一)創立、また古老の伝として「当社ハ土豪下国某ノ氏神ニシテ岡山ノ麓ニ社殿ヲ立」てたという。乙部村祠官工藤氏書上(神道大系「北海道」)によれば、天文二一年(一五五二)当社の前身である「坂之上之稲荷社」を秋田の浪士工藤孫三郎が再建し自ら社守になったという。孫三郎を「日ノ本将軍」安東氏の一門とみなせば、下ノ国守護下国師季の次男直季流の末裔が開基した長徳(ちようとく)寺とともに、当時の蠣崎政権を遠巻きに監視すべく創建されたと考えられなくもない(乙部町史)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by