事前抑制(読み)じぜんよくせい(英語表記)prior restraint

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「事前抑制」の意味・わかりやすい解説

事前抑制
じぜんよくせい
prior restraint

広義には,表現行為に先立って公権力がなんらかの方法でこれに抑制を加えること,および実質的にこれと同視できるような影響を表現行為に及ぼす規制方法の一切をいう。このような抑制は,思想や情報がいわゆる「思想の市場」に出る前にそれを抑止し,国民の表現の自由知る権利を害し,また一般に手続上の保障や実際上の抑止的効果において事後処罰に比べて自由を害する危険が大きいことを考えあわせ,事前抑制の原則的禁止法理が確立されている。検閲は事前抑制の典型であるが,日本国憲法明文でこれを禁止している (21条2項) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android