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知る権利 しるけんり right to know

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

知る権利
しるけんり
right to know

民主主義社会における国民主権の基盤として,国民が国政の動きを自由かつ十分に知るための権利。この言葉を現代で初めて使ったのは,AP通信社の K.クーパーで,1945年1月のニューヨークでの講演会でのことであったという。

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デジタル大辞泉の解説

しる‐けんり【知る権利】

国民が国の政治行政についての情報を知ることのできる権利。民主主義国家での国民の基本的権利として、言論・報道の自由情報公開法制化の基盤となるもの。

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百科事典マイペディアの解説

知る権利【しるけんり】

一般市民(公衆)がその必要とする情報を,妨げられることなく自由に入手できる権利をいう。情報化社会においては,国政レベルから日常生活レベルにいたるまでの公的情報を自由に入手することを求める〈知る権利〉は,最も重要な人権のひとつである。
→関連項目患者の権利表現の自由

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世界大百科事典 第2版の解説

しるけんり【知る権利 the right to know】

公衆がその必要とする情報を,妨げられることなく自由に入手できる権利をいう。近代憲法は基本的人権一つとして言論・出版の自由を保障した。しかし,政府権力の拡大強化やマスコミの発達によって,一般市民(公衆)は,重要な情報源から遠ざけられるにいたった。情報化社会の発展とともに,この傾向はさらに拍車がかかり日常生活の情報の選択と入手は市民の重大な関心事となっている。こうして,国政情報から日常生活の情報まで,自由に入手することを求める〈知る権利〉は,最も重要な現代的人権として認識されるようになった。

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大辞林 第三版の解説

しるけんり【知る権利】

国民が公的な種々の情報について公開・提供を要求する権利。また、国民の国政に関する情報収集活動が国家権力によって妨げられない権利。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

知る権利
しるけんり
right to know

国の政治に関する情報を、国民が自由に入手する権利(アクセス権)。公権力により妨げられることなく自由に情報を受け取るという消極的自由権的側面と、情報の積極的な提供・公開を国家機関に対して要求するという積極的請求権的側面とをもっている。日本国憲法第21条に定められている表現の自由の保障は、単に表現活動を行う者の自由だけでなく、それに対応するものとして、表現の受け手の知る自由をも当然に保障しているものと考えられる。しかし、国家の行政活動の領域が広がってくるとともに国家秘密も増大し、また、マス・メディア産業の発達により、社会の情報流通過程において国民は、与えられる情報をただ受け取るだけという受動的な地位に置かれるようになってくる。こうした状況のなかで、国民が必要とする情報を十分に得るためには、情報の受け手である国民の側から、知る権利を積極的に主張することが必要であると考えられるようになってきた。知る権利の観念は、第二次世界大戦後のアメリカにおいて成立した。わけても1971年に起こったベトナム秘密文書事件(ペンタゴン・ペーパーズ暴露事件)では、アメリカのベトナム政策の決定過程を明らかにした秘密文書を新聞に掲載することが正当であるとする報道機関の主張を支えるうえで、この観念は大きな役割を果たした。[浜田純一]

機能

知る権利には二つの機能があると考えられる。一つは、個人権的機能であって、情報化社会といわれる現代社会では、個人が幸福を追求し、健康で文化的な生活を送っていくためには、十分な情報を利用できることが不可欠である。サド『悪徳の栄え』事件最高裁判決(1969年10月15日)における色川幸太郎裁判官の反対意見は、性表現をめぐっての「知る自由」という考え方に初めて触れ、この自由を日本国憲法第13条の幸福追求権のうちに基礎づけている。知る権利のもう一つの機能は参政権的機能であって、民主的な政治過程が前提とする個々の国民の政治的な意思形成のために、国民が十分な情報を受け取ることができるのでなければならない。博多(はかた)駅取材フィルム提出命令事件についての最高裁決定(1969年11月26日)や外務省公電漏洩(ろうえい)事件(沖縄密約暴露事件)についての最高裁決定(1978年5月31日)は、民主主義社会における国民の「知る権利」の重要性を強調し、報道機関や新聞記者の報道の自由、取材の自由を、この権利に「奉仕」するものであると意味づけている。[浜田純一]

情報公開

国民の知る権利を積極的に具体化する方法としては、情報公開法の考え方がある。アメリカでは1966年に「情報自由法」Freedom of Information Actが制定された(74年に大幅改正)が、そこでは、(1)「何人(なんぴと)」であれ公文書の開示を請求しうること、(2)資料の公開が原則で非公開は例外であること、(3)非公開措置が妥当かどうかの判断は裁判所にゆだねられること、の三つの基本原則が具体化されている。また、この法律においては、例外的に非公開とされる事項として、国防・外交政策に関する記録、個人のプライバシーについての記録、捜査記録など、9項目が規定されている。アメリカではさらに76年にサンシャイン法が成立し、合議制行政機関の会議は原則的に公開されることになった。
 今日、情報公開法を有する国は、北欧諸国やカナダ、オーストラリア、ベルギー、オランダなど増加傾向にあり、1996年(平成8)にはアジアで初めて、韓国において情報公開法が制定された。
 日本でも、1980年代に入って、地方自治体で情報公開条例が制定されるようになり、99年には情報公開法(正式名称は、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」)が成立した。この法律の目的として、「知る権利」ということばには言及されていないが、国民主権の理念を基礎に、「政府の有するその諸活動を国民に説明する責務」の全うと「国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」が掲げられている。この法律は、原則開示の考え方を採用しているが、同時に、個人情報、法人情報や意思形成過程情報などについては開示の例外とし、とくに防衛・外交・捜査などに関する情報については、関係省庁の長の判断により「相当の理由」が認められる場合は、不開示にできるものとしている。[浜田純一]
『千葉雄次郎著『知る権利』(1972・東京大学出版会) ▽芦部信喜著「「知る権利」の理論」(『講座 現代の社会とコミュニケーション3』所収・1974・東京大学出版会) ▽奥平康弘著『知る権利』(1979・岩波書店) ▽宇賀克也著『情報公開法の理論』(1998・有斐閣)』

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図書館情報学用語辞典の解説

知る権利

情報を受け取る権利と情報を求める権利.日本で「知る権利」という用語が登場してきたのは1970年代の初めであり,図書館界においては,1973(昭和48)年の山口県立図書館図書抜き取り放置事件で,告発者の牧師が「図書館は地域住民の知る権利を保障する場所」と指摘したときに始まる.「知る権利」は,「日本国憲法」には明記されていない.「図書館の自由に関する宣言」では,「表現する自由」と表裏一体としての「知る自由」を保障しているが,「国際人権規約」B規約第19条第2項の「あらゆる種類の情報及び考えを求め,受け及び伝える自由」や「世界人権宣言」における「情報及び思想を求め,受け及び伝える自由」という法概念によれば,「図書館の自由に関する宣言」の「知る自由」は,ほぼ「知る権利」に近い概念として位置付けられている.

出典|図書館情報学用語辞典 第4版
©All Rights Reserved, Copyright Nihon Toshokan Joho Gakkai, 2013 編者:日本図書館情報学会用語辞典編集委員会 編
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世界大百科事典内の知る権利の言及

【クーパー】より

…のちAPに移り,南アメリカ,ヨーロッパにおけるAP配信網の整備・拡大に努力。1930年代,第2次大戦中の経験をふまえて,戦後,巨大化するメディア状況のなかで読者の〈知る権利〉の重要さを強調(《The Right to Know》1956),この言葉の普及,問題の所在の照明にあずかって力があった。著書には《障壁を破る》(1942),《ケント・クーパーとAP》(1958)などがある。…

【報道の自由】より

…新聞や放送などの報道機関は現代社会のいわば神経組織として世界に生起した諸事実に関する情報を人々に伝達する役割を演じている。ことに民主主義社会では,報道機関は主権者たる国民の〈知る権利〉の負託にこたえて報道を通じて国民に判断の素材を提供するものと考えられている。元来,言論の自由や表現の自由は,個人が意見や思想を表明する自由を意味し,それを中心として展開されてきた。…

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