最新 地学事典 「二ッ岳降下軽石層」の解説
ふたつだけこうかかるいしそう
二ッ岳降下軽石層
Futatsudake pumice fall deposit
榛名火山の二ッ岳活動期(6世紀初頭)の降下軽石層。群馬県伊香保温泉付近から北東に長軸をもって分布し,黒土層上部に介在する。遠くは仙台市付近(多賀城址)でも確認され,関東と東北地方を結ぶ古墳時代の有用な指標テフラ。白色,未風化で角閃石デイサイト質。伊香保付近では層厚5m以上に達し,軽量ブロック骨材として採掘。Hr-FP,伊香保テフラ,榛名軽石とも呼ばれる。[新井 房夫]
この軽石層は,強磁性鉱物の熱残留磁化の自己反転現象が発見された(T.Nagata et al.,1951)ことでも知られる。二ッ岳溶岩ドームを形成する一輪廻噴火の初期の産物で,斑晶に斜長石・角閃石・ハイパーシン・チタン磁鉄鉱・ヘモイルメナイトを含む。自己反転磁化を起こすのはヘモイルメナイトで,組成はIl55-59 Hm45-41。後続の火砕流(軽石流)の軽石も同様。しかし末期噴出物のドーム溶岩中では徐冷により2相に離溶したために正帯磁。
執筆者:大島 治
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

