二塚保(読み)ふたづかほ

日本歴史地名大系 「二塚保」の解説

二塚保
ふたづかほ

現在は庄川西岸に位置するが、元来は庄川(千保川)の東に位置した国衙領。「大覚寺門跡次第」によれば、元弘元年(一三三一)八月後醍醐天皇の討幕計画が漏れた元弘の乱に際し、天皇に味方した恒性皇子(越中宮)越中に配されたとする。二塚がその配流・幽閉地であったといわれ、二塚地内の字山作やまつくり悪王子あくおうじ宮にその館があったとされ、また浄土真宗浄誓じようせい寺は恒性皇子に所縁があると伝えられる。「続史愚抄」によれば、元弘三年五月七日に六波羅探題が陥落すると、兵庫助貞持(越中守護名越時有かと注す)は五月一四日に恒性皇子を殺害したという。なお「大覚寺門跡略記」は貞持を貞時とするが、名越貞持あるいは貞時の名は北条氏諸系図にはみえない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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