二木島祭(読み)にぎしままつり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二木島祭」の意味・わかりやすい解説

二木島祭
にぎしままつり

三重県熊野市二木島町の室古神社(むろこじんじゃ)と阿古師神社(あこしじんじゃ)で行なわれる例祭。本来は旧暦 5月5日と旧暦 11月2日の祭りだったが,今日では 11月3日に行なわれている。祭りの主役はショウドと呼ばれる頭屋で,両社各 1人選ばれ,毎朝夕に潮垢離(しおごり。→垢離)するなど厳重な潔斎をして祭りを迎える。当日はきれいに身支度したショウドが,それぞれ大紋兜巾姿で娘や親戚が務める神事役とともに関船と呼ばれる船に乗って,それぞれの神社に向かう。関船は,それぞれ 5色の幕,吹き流し傘鉾(かさぼこ),槍,なぎなたで飾られ,白木綿の胴巻き姿の若者 40人ほどが乗り込んで,それぞれの神社に向けて競漕する。勝ったほうが豊漁になるとされる。神社での神事のあと,再び競漕となる。このとき,港ではオドリコと呼ばれる女装男児が踊り,カツオ船で漁夫姿の子供がカツオ釣りの所作をする。また,関船が帰港するときには,着物に赤頭巾姿のババが,しゃもじで船を招く所作をする。

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