日本歴史地名大系 「二本柳遺跡」の解説 二本柳遺跡にほんやなぎいせき 山梨県:中巨摩郡若草町十日市場村二本柳遺跡[現在地名]若草町十日市場甲府盆地西部の御勅使(みだい)川と滝沢(たきざわ)川の扇状地先端部に位置する。平成三―四年(一九九一―九二)に発掘調査が行われ、弥生時代以降の複合遺跡であることが確認された。戦国期から江戸時代にかけての寺院跡や平安時代から江戸時代の水田跡のほか、弥生時代中期―古墳時代前期の土器・木製品の包含層が発見されている。寺院跡は天保一三年(一八四二)に福寿(ふくじゆ)院の僧運海によって描かれた法善(ほうぜん)寺境内図(法善寺蔵)から法善寺子院の福寿院のものとみられる。福寿院は江戸時代末に消滅しているが、発掘の結果一六世紀には絵図に描かれたよりさらに広い寺域をもつことが明らかになった。遺構は寺域を画する溝と、その内側に井戸跡八・掘立柱建物跡一・木棺二などが検出され、土師質土器や陶器、五輪塔・漆椀・下駄・卒塔婆・呪符木簡・古銭などが出土した。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by