二本棒(読み)にほんぼう

精選版 日本国語大辞典 「二本棒」の意味・読み・例文・類語

にほん‐ぼう【二本棒】

〘名〙
二本差しの武士をあざけっていう。
※歌舞伎・関取菖蒲𥿠(1797)三幕「多左衛門とやら云ふ二本坊(にホンボウ)に、金で頼まれ」
子どもがだらしなく左右の鼻からたらしたままにしている鼻汁。また、そういう子をののしっていう。
洒落本・深彌満於路志(1782)跋「金さへあれば二本棒(ボウ)諸葛孔明と成」
③ まぬけな人。また、女房や女に甘い男をあざけっていう。
※洒落本・新吾左出放題盲牛(1781)「痴心(のろま)人に越たり、号して二ほん坊(ハウ)といふ」
人情本・春色江戸紫(1864‐68頃)三「唯々お前(ま)はん間違のないやうと祈って居たのは、宜(い)い二本棒でありました」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「二本棒」の意味・読み・例文・類語

にほん‐ぼう【二本棒】

子供が左右の鼻の穴からたらしている鼻汁。
間の抜けた人、また、甘い男をあざけっていう語。
「己はお前の考えてるような―じゃないよ」〈漱石明暗
編み物に用いる、二本で一組みになった編み棒。二本針
二本差しの武士をののしっていう語。
「いめえましい―めが」〈滑・続膝栗毛・六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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