精選版 日本国語大辞典「間違」の解説
ま‐ちがい ‥ちがひ【間違】
〘名〙 (動詞「まちがう(間違)」の連用形の名詞化)
① 判断や計算の結果が、正しいもの、あるべき状態や結果と違うものになること。まちがうこと。また、そのような状態や結果。
※小説精言(1743)四「儞老人家有二甚差錯(〈注〉マチガヒ)一」
② 失敗。しくじり。また、適切でないこと。
※洒落本・初葉南志(1780)「なにに付ても老人は気が付まして間違ひはござりませぬが」
③ 事故。
※福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉長崎遊学「少し浪風があると毎度大きな間違(マチガ)ひを仕出来(しでか)します」
④ 争い。紛争。
※洒落本・意妓口(1789‐1801頃)二「客ははらをたってまちがひとなり」
⑤ 未婚または不倫の間柄にある男女の情事。多く、女の立場についていう。
※人情本・英対暖語(1838)二「お房も実に此文の心いきで居るのを、捨て置たら間違(マチガヒ)が出来めへものでもねへ」
ま‐ちが・う ‥ちがふ【間違】
[1] 〘自ワ五(ハ四)〙
① 判断や計算の結果が、正しいもの、あるべきさまと違う状態や結果となる。きまりや筋道などからはずれる。違う。誤る。現在では「…をまちがう」の形で他動詞的にも用いる。
※談義本・根無草(1763‐69)前「死ぬる命はいとはねども、大切の御用間違ん事本意なく覚ゆれば」
② 行きちがう。かけちがう。
※俳諧・枯尾花(1694)上「間違ふてあはぬ命や村時雨〈吾我〉」
③ しそこなう。失敗する。
※茶話(1915‐30)〈薄田泣菫〉演説家の妻「間違(マチガ)って窓枠に指先を挟まれてしまった」
[2] 〘他ハ下二〙 ⇒まちがえる(間違)
ま‐ちが・える ‥ちがへる【間違】
〘他ア下一(ハ下一)〙 まちが・ふ 〘他ハ下二〙 取りちがえる。仕損なう。違える。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報