朝日日本歴史人物事典 「二条師嗣」の解説
二条師嗣
生年:延文1/正平11(1356)
南北朝末・室町時代初期の公家。二条良基の次男。母は土岐春日入道の娘。応安1/正平23(1368)年従三位,永和1/天授1(1375)年右大臣,永和4/天授4年左大臣,翌年関白となり,永徳2/弘和2(1382)年これを辞す。父良基以来,足利義満とのつながりが深く,応永5(1398)年3度目の関白就任は,義満に執奏を請い還補されたものであった。ところが翌年,興福寺金堂供養で義満に従った際,馬副を召し連れなかったことから,義満の機嫌を損ない出家。師嗣が出家理由の返書を,上皇に準ずる様式で義満に送ったことは,義満を上皇に相当する地位として認めるきっかけとなった。<参考文献>今谷明『室町の王権』
(湯川敏治)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報