五条河原(読み)ごじようがわら

日本歴史地名大系 「五条河原」の解説

五条河原
ごじようがわら

かも川の河原のうち五条橋付近をいうが、五条橋の位置が天正一八年(一五九〇)以後変わるため、その位置も移動している(→五条大橋。「吾妻鏡」承久三年(一二二一)六月一五日条には「国宗捧院宣、於樋口河原、相逢武州(北条泰時)、述子細」と、五条大路より一町南の樋口小路ひぐちこうじ東末の河原のことがみえる。

旧五条橋(現松原橋付近)辺りの河原は、他の河原同様に中世期の戦場となった。延元元年(一三三六)七月、足利尊氏の兵は、五条河原で千葉・宇都宮等の官軍と戦ってこれを破っている(「太平記」巻一七)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の五条河原の言及

【賀茂川∥鴨川】より

…京都盆地への流出口にあたる上賀茂の柊野(ひいらぎの)から南へ扇状地をつくり,河水の多くは伏流して京都市街の井戸の水源となっている。鴨河原はみそぎ祓(はらい)の神事や合戦場,処刑場として著名であるが,中世末から近世にかけては庶民の集まる広場となり,芝居・見世物小屋が並ぶ歓楽街が四条河原,五条河原に形成された。この河川は古代から木材,薪炭などの輸送に利用されていたが,平時は水量が少ないため慶長年間(1596‐1615)西岸の二条通り南の一之船入以南に高瀬川が掘削され,明治前期まで水運に利用された。…

※「五条河原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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