改訂新版 世界大百科事典 「五行志」の意味・わかりやすい解説 五行志 (ごぎょうし)Wǔ xíng zhì 中国の正史のなかの志の一種。さまざまの災異とそれについての解釈を記す。《漢書》五行志にはじまり,《尚書》洪範篇を五行の理論にむすびつけた伏生の《洪範五行伝》およびその解説,また《春秋》に記された災異と前漢代におこった災異についての董仲舒(とうちゆうじよ)・劉向(りゆうきよう)・劉歆(りゆうきん)たちの解釈を示すが,災異は天が人間にあたえる警告であるとの立場,いわゆる天人相関説の立場によってつらぬかれている。後世の正史にもうけつがれたが,天人相関説が重要性を失うと,五行志の存在意義も問われた。執筆者:吉川 忠夫 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by