災異(読み)サイイ

デジタル大辞泉 「災異」の意味・読み・例文・類語

さい‐い【災異】

非常災害天災地変
「―の年も早く尽きて」〈荷風・かたおもひ〉

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精選版 日本国語大辞典 「災異」の意味・読み・例文・類語

さい‐い【災異】

  1. 〘 名詞 〙 非常の変災。わざわい。天災地変。
    1. [初出の実例]「以災異頻見年穀不一レ登、詔減京畿及大宰府管内諸国調半」(出典続日本紀‐大宝三年(703)七月甲午)
    2. 「先づ金光明経大集経仁王経薬師経の四経に拠って災異(サイイ)の来るは」(出典:日蓮上人(1894)〈幸田露伴〉一三)
    3. [その他の文献]〔漢書‐両龔伝〕

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普及版 字通 「災異」の読み・字形・画数・意味

【災異】さいい

天災地異。〔漢書、張禹伝〕永始・元、日地震、尤も數(しばしば)なり。民多く上書して、災異の應を言ひ、王氏の致すなるを切す。上(しゃう)變異の數見(あら)はるるを懼(おそ)れ、頗(すこ)ぶる之れを然りとす。

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改訂新版 世界大百科事典 「災異」の意味・わかりやすい解説

災異 (さいい)
zāi yì

災害と怪異の諸現象。祥瑞(しようずい)の反対概念。災異を天意にもとる君主の行為に対して天がくだす警告であるとみなし,〈災異説〉(災異思想)と呼ばれる理論にまとめあげたのは漢の董仲舒(とうちゆうじよ)であった。すなわち,君主に失政があれば天はまず災害をくだして譴告(けんこく)をあたえ,災害によって反省しないときにはさらに人間が畜生を生むなどの怪異の現象を発生させて驚かせ,それでもまだ改めないときには国を滅ぼしてしまうというのであり,君主の無軌道な行為にたいして一定の抑制的な役割を果たした。《漢書》五行志には,《春秋》や《国語》に記録されている災異,および前漢代に発生した災異についての董仲舒や劉向(りゆうきよう)・劉歆りゆうきん)たちの解釈が示されている。
讖緯説(しんいせつ)
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