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災害と怪異の諸現象。祥瑞(しようずい)の反対概念。災異を天意にもとる君主の行為に対して天がくだす警告であるとみなし,〈災異説〉(災異思想)と呼ばれる理論にまとめあげたのは漢の董仲舒(とうちゆうじよ)であった。すなわち,君主に失政があれば天はまず災害をくだして譴告(けんこく)をあたえ,災害によって反省しないときにはさらに人間が畜生を生むなどの怪異の現象を発生させて驚かせ,それでもまだ改めないときには国を滅ぼしてしまうというのであり,君主の無軌道な行為にたいして一定の抑制的な役割を果たした。《漢書》五行志には,《春秋》や《国語》に記録されている災異,および前漢代に発生した災異についての董仲舒や劉向(りゆうきよう)・劉歆(りゆうきん)たちの解釈が示されている。
→讖緯説(しんいせつ)
執筆者:吉川 忠夫
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