五香粉(読み)ウーシャンフェン

百科事典マイペディア 「五香粉」の意味・わかりやすい解説

五香粉【ごこうふん】

ウーシァンフェンとも。中国料理に使われる混合香辛料。5種類の香辛料を粉末にして混ぜたもので,桂皮(ヤブニッケイ,カシアなどの樹皮を干したもの),丁香(チョウジのつぼみを干したもの),花椒(カホクザンショウの完熟果の果皮)が基本としてよく使われ,これに八角(八角の果実),茴香(ウイキョウの果実),陳皮ミカンの果皮を干したもの),胡椒,甘草(カンゾウの根を干したもの),ナツメグ(ニクズクの種子胚乳を干したもの)などから2種類を加えることが多い。市販品が出回っているほか,中国では好みの香辛料を選んで香料屋に混合してもらうこともある。5種類に限らなくてもよい。肉や鳥料理の下ごしらえに使ったり,仕上がりにふりかけたりする。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の五香粉の言及

【香辛料】より

…また,単独で使用するほか,なん種類もの香辛料をとり合わせて混合香辛料とするものがある。その代表がカレー粉であるが,ほかにトウガラシを主体にオレガノ,ディルその他を配したチリパウダー,八角(はつかく),ニッケイ,チョウジ,サンショウ,陳皮(ちんぴ)を粉末にして合わせた中国の五香粉(ウーシアンフエン),日本の七味唐辛子などがある。 市販の香辛料には,生のもの,乾燥品,ペーストと呼ぶのり状のもの,酢・塩酢・塩水などにつけたもの,冷凍ものなどがあり,それぞれその形状を生かした使い方がされる。…

【ダイウイキョウ(大茴香)】より

…果実から中華料理の香辛料の五香粉(ウーシアンフン)を採るシキミ科の常緑低木。トウシキミともいう。…

【中国料理】より

…肉の醬油煮によく使う大事な香辛料。五香粉の基本の一味でもある。花椒山椒。…

※「五香粉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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