( 1 )生薬としての橘柚は「本草」木部上品に載せられ、その皮には解熱・鎮咳等の効能があり、「陳(ふる)い皮」の薬効が優れていると認められていた。日本では「重訂本草綱目啓蒙」で、まだ黄色く熟していない「青皮」と対比されている。
( 2 )「橘〈俗云蜜柑〉」〔和爾雅‐六〕とあるように、橘柚の品種改良に伴って「陳皮」の原料も廉価となり、最も使い易く安価な漢方薬とみなされていたことが、「下手医者は、陳皮甘草抔を集め候て病をいやし候半」〔徂来先生問答書‐中〕などの記述から知られる。
( 3 )「本草」に記されている健胃・鎮咳・除痰・発汗等の効能の他に、「ぢんのくすりとて、ちんひかんきょう」〔天理本狂言・煎物〕のように腎虚に効くという俗説もあった。
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古く,ローマではシトロンを衣服の虫よけ,煎じて解毒などの薬用にしている。中国でかんきつ類の果皮は陳皮として古くから薬用にされていた。日本でも古くから生薬として,凍傷,外傷,風邪,解熱,神経痛などに用いられてきた。…
…甘いデザートの味付けにも使う。 陳皮ミカンの皮を干したもの。肉と鳥の醬油煮に入れたり,五香粉の一味として使われる。…
※「陳皮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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