京仁鉄道(読み)けいじんてつどう

改訂新版 世界大百科事典 「京仁鉄道」の意味・わかりやすい解説

京仁鉄道 (けいじんてつどう)

朝鮮で最初に開通した鉄道。首都ソウル(京城)と開港場仁川とを結び,全長約42km。1894年日清戦争勃発直後の日韓暫定合同条款にもとづいて日本が獲得した敷設権は,三国干渉以後の情勢下でアメリカ人に渡り,のち再び日本のものとなった。三井三菱,渋沢らの大資本家が設立した京仁鉄道合資会社が事業をうけつぎ,多額の国家資金の援助を得て1900年に全線開通させた。03年には京釜鉄道株式会社に譲渡され,京釜鉄道の一支線となった。鉄道敷設は日露戦争に向けた準備でもあった。鉄道開通の結果,従来漢江の船便によっていた交通体系は大きな影響をうけた。現在は韓国の国有鉄道となっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「京仁鉄道」の意味・わかりやすい解説

京仁鉄道
けいじんてつどう
Kyǒng-In ch'ǒlto

朝鮮の京城 (現ソウル) -仁川間に日本資本によって敷設された朝鮮最初の鉄道。建陽1 (1896) 年にアメリカ人 J.モールスは朝鮮政府からソウル-仁川間の鉄道敷設権を得たが,資金調達難のため光武1 (97) 年日本に権利譲渡した。同年京仁鉄道引受組合を設立,同3年合資会社に改組。同1年以降工事が始り,同4年7月8日に開通。全線約 38.9km。同6年 12月,京釜鉄道株式会社に 244万円余で買収合併された。 1910年以後,国有鉄道となる。

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