京都・学習塾生徒殺害(読み)きょうとがくしゅうじゅくせいとさつがい

知恵蔵 「京都・学習塾生徒殺害」の解説

京都・学習塾生徒殺害

2005年12月10日朝、京都府宇治市の学習塾で、生徒の小学6年女児(当時12)が刺されて死亡した。京都府警は、現場にいたアルバイト講師の同志社大4年の男子学生(当時23)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。12月28日、殺人などの罪で京都地検に起訴された学生は起訴状によると、刃渡り約17cmの包丁で女児の首や顔などを数回刺して殺したとされる。同志社大は06年1月に学生を退学処分にした。初公判で、男は事実関係を認めたが、弁護側は「幻覚及び妄想に支配されており、心神喪失者として無罪とされるべき」と刑事責任能力を争う姿勢を示した。検察側は冒頭陳述で、動機について「被害者から『きもい』などと言われるようになり、恩を仇で返されたと思いこみ、不信感と憎しみを持つようになった」と指摘し、女児の指導担当やテストの監督から外されたことで憎悪の念を募らせたとした。京都地裁は06年6月、弁護側が請求していた男の精神鑑定実施を決めた。

(緒方健二 朝日新聞記者 / 2007年)

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