改訂新版 世界大百科事典 「人口問題研究所」の意味・わかりやすい解説
人口問題研究所 (じんこうもんだいけんきゅうじょ)
1939年,厚生省の付属研究機関として設置された。日本で唯一の人口問題についての政府の研究機関として,内外の人口問題の研究,出生力,移動等に関する幾多の実地調査の施行,人口政策に関する資料や意見の提示等,その活動は広範囲にわたる。この研究所は名実ともに学際的な研究機関で,社会学,経済学等の社会科学出身の専門家とともに遺伝学,医学,都市工学,心理学,栄養学等の自然科学出身の専門家を擁し(人口政策研究部,人口構造研究部,人口動向研究部,人口情報部の4部から構成),人口研究機関としては国際的にも規模の大きいほうに属した。1996年12月,特殊法人社会保障研究所(1965設立)の機能を統合して,国立社会保障・人口問題研究所に改組された。なお,大学における人口研究機関としては,79年に日本で初めて日本大学人口研究所が設立されている。
執筆者:黒田 俊夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報