代謝性心筋症(読み)たいしゃせいしんきんしょう(その他表記)Metabolic cardiomyopathy

六訂版 家庭医学大全科 「代謝性心筋症」の解説

代謝性心筋症
たいしゃせいしんきんしょう
Metabolic cardiomyopathy
(循環器の病気)

 内分泌の異常を来す病気や、ヘモクロマトーシスアミロイドーシス、ファブリ病など特定の物質が異常にたまる病気に伴って起こる心筋障害を指します。

 甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)では、甲状腺ホルモンの過剰な分泌やカテコラミンの作用で心臓が無理にはたらかされ、ついには心筋が疲れ果ててしまうことにより心筋障害が起こります。

 甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)の場合は粘液水腫(ねんえきすいしゅ)といわれ、心筋細胞の変性、心筋組織の間質の浮腫、ムコ多糖類の増加などにより心筋の収縮力が低下します。高血圧高脂血症も伴うので、冠動脈硬化による狭心症(きょうしんしょう)心筋梗塞を合併することもあります。

 心臓に多量のアミロイドが沈着するアミロイドーシス、過量の鉄が沈着するヘモクロマトーシス、グリコーゲン蓄積症(ちくせきしょう)、糖脂質がたまるファブリ病などでは、心筋細胞がこれらの物質によって置き換えられたり圧迫されたりします。その結果、心不全が起こったり、重症不整脈が現れたりします。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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