仮諦(読み)ケタイ

デジタル大辞泉 「仮諦」の意味・読み・例文・類語

け‐たい【仮諦】

仏語天台宗で説く三諦さんだいの一。すべてのものは実体がなく、因縁によって仮に生じて存在しているということ。

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精選版 日本国語大辞典 「仮諦」の意味・読み・例文・類語

け‐たい【仮諦】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「け」は「仮」の呉音 ) 仏語。天台宗で、一切の存在がそのまま絶対の真実を明かすと説くために示す、空・仮・中の三諦(さんたい)一つ。一切の現象は因縁が和合して仮に存在すると説くもの。
    1. [初出の実例]「孔子の五常は仮諦(ケタイ)戒門の方便也」(出典雑談集(1305)五)

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世界大百科事典(旧版)内の仮諦の言及

【山王神道】より

…しかし大山咋神は元来比叡山の地主神(じぬしがみ)であったので天台宗徒は宗派の守護神と仰ぎ,唐の天台山の守神たる地主山王に擬し,この神を山王と称し天台神道の主神とした。 山王神道の中心思想は山王の2字を天台宗の三諦円融観をもって説明するもので,三諦とは仮諦・空諦・中諦を指す。仮諦とは万法妙有,空諦とは諸法真空,中諦とは諸法実相非有非空を指し,円融観からすれば三諦は一つである(三諦即一)と説かれる。…

※「仮諦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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