朝日日本歴史人物事典 「伊庭是水軒」の解説
伊庭是水軒
生年:慶安2(1649)
江戸中期の剣術家。心形刀流の開祖。侠客がっぽう八兵衛の子として江戸に生まれる。通称は総左衛門,是水軒は号。幼少より剣術を好み,諸国を遍歴してはじめ柳生流,のち本心流の志賀如見斎に学び,37歳で心形刀流を創始した。流名は『心形刀流目録弁解』の中に「心,躬の形,用うる刀」と記され,心技体の三位一体の真諦を表している。伊庭家では実子ではなく,門人中もっとも秀れた者が相続するのが家憲であった。志摩鳥羽藩主稲垣氏をはじめ門人は多く,幕末期には江戸4大道場のひとつに数えられるほどの隆盛をみた。<参考文献>石岡久夫『日本の古武術』
(藤堂良明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報