伊是名海穴(読み)いぜなかいけつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伊是名海穴」の意味・わかりやすい解説

伊是名海穴
いぜなかいけつ

沖縄島西方の沖縄トラフにある海穴。地質調査所と海洋科学技術センター(→海洋研究開発機構)が共同で調査し,1988年ここで熱水の噴出口を発見した。従来,海底熱水鉱床,特に活動しているスモーカー海底に噴出している熱水)は,プレートの拡大軸でのみ発見されていたが,日本のような島弧(→弧状列島)の後ろに形成されている小規模な海洋底が拡大した背弧海盆にも,熱水鉱床があるのではないかと推定されていた。伊是名の熱水の沈殿物組成は,秋田県大館市周辺に数多く分布する黒鉱鉱床に類似しており,同型の鉱床の成因に多くの情報を提供するものと期待される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android