海洋研究開発機構(読み)カイヨウケンキュウカイハツキコウ

デジタル大辞泉 「海洋研究開発機構」の意味・読み・例文・類語

かいようけんきゅうかいはつ‐きこう〔カイヤウケンキウカイハツ‐〕【海洋研究開発機構】

文部科学省所管の国立研究開発法人。平成16年(2004)に海洋科学技術センターから独立行政法人に移行し、現在の名称となる。海洋・深海・大陸棚の調査から地球物理学を研究する。JAMSTCジャムステック(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「海洋研究開発機構」の意味・わかりやすい解説

海洋研究開発機構
かいようけんきゅうかいはつきこう

海洋に関する基盤的研究開発等を行う文部科学省所管の国立研究開発法人(独立行政法人)。英語名はJapan Agency for Marine-Earth Science and Technology、略称JAMSTEC(ジャムステック)。「国立研究開発法人海洋研究開発機構法」(平成15年法律第95号)を根拠法とする。本部は神奈川県横須賀市夏島町。ほかに、横浜(横浜市)、むつ(青森県むつ市)、高知コア(高知県南国市)の3研究所、国際海洋環境情報センター(沖縄県名護(なご)市)と東京事務所(東京都千代田区)がある。前身は、1971年(昭和46)10月に発足した認可法人海洋科学技術センターで、2004年(平成16)4月に独立行政法人化され海洋研究開発機構と改称。2015年4月、国立研究開発法人に移行した。

 海洋研究開発機構は、海洋に関する基盤的研究開発、海洋に関する学術研究における協力等の業務を総合的に行うことにより、海洋科学技術の水準の向上と学術研究の発展に資することを目的としている。研究部門、開発・運用部門、経営管理部門で組織されており、研究部門は、地球環境観測研究開発センター、海洋掘削科学研究開発センター、地震津波海域観測研究開発センターなどを置く「戦略研究開発領域」と、大気海洋相互作用研究分野、統合的気候変動予測研究分野、シームレス環境予測研究分野などの研究を行う「基幹研究領域」に分かれている。開発・運用部門には、海洋工学センター、地球情報基盤センター、地球深部探査センターなどが置かれている。また深海潜水調査船支援母船「よこすか」、有人潜水調査船「しんかい6500」、無人探査機「かいこう」など、研究船・探査機を数多く所有している。2005年に完成した地球深部探査船「ちきゅう」は、マントルや巨大地震発生域への大深度掘削を行うための掘削船で、海底からさらに7000メートル掘ってマントルに到達することができることから、国際深海科学掘削計画(IODP:International Ocean Discovery Program。2013年以前は統合国際深海掘削計画Integrated Ocean Drilling Program)の主力船となっている。

[編集部 2017年10月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海洋研究開発機構」の意味・わかりやすい解説

海洋研究開発機構
かいようけんきゅうかいはつきこう

海洋科学技術の推進と学術研究協力を目的とする独立行政法人。 1971年設立の海洋科学技術センターと,東京大学海洋研究所の船舶運行部門が 2004年に統合し,独立行政法人として発足した。日本の海洋研究における中心的存在として,海洋の生態・環境研究,地球環境の変動に関する予測研究等を行なうほか,観測機器の技術開発およびシステム開発を行なっている。また,7艘の学術研究船,有人深海探査船「しんかい 6500」や無人探査機等を所有し,国内外での研究・調査活動に提供している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android