伊草宿(読み)いぐさしゆく

日本歴史地名大系 「伊草宿」の解説

伊草宿
いぐさしゆく

[現在地名]川島町伊草

上伊草村の南、越辺おつぺ川左岸の自然堤防上に位置する。伊草宿村ともよばれ、近世には当地の対岸付近で越辺川・入間いるま川が合流していた。熊谷往還宿駅で、同往還は当地で越辺川(入間川)を渡る。中世井草郷のうち。当地は古くから宿駅の機能を有していたと思われ、また戦国期には市も立てられていた。天正一五年(一五八七)六月一六日の太田氏房印判状写(武州文書)によると氏房は「井草宿」の市日を一・七の日の六斎市と定め、向う三年間諸役不入としている。

田園簿によると田高四五一石余・畑高一五四石余、川越藩領と旗本酒井領の相給。ただし、この高には下伊草村の高も含まれていたと考えられる。元禄郷帳では井草宿村とみえ、高四二四石余、国立史料館本元禄郷帳では旗本大木領。その後、川越藩領となり、以後の領主変遷は上伊草村に同じ。秋元家時代郷帳によると高は元禄郷帳と同高。ほかに一七七石余の検地出高があった。反別は田方五三町五反余・畑方二一町二反余。渡船二(うち馬船一)があった。用水中山なかやま用水の分水を引き、字上宿並かみしゆくなみには郷倉があった(「風土記稿」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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