船問屋(読み)フナドイヤ

デジタル大辞泉 「船問屋」の意味・読み・例文・類語

ふな‐どいや〔‐どひや〕【船問屋】

江戸時代各地の港にあって、回漕や積み荷を取り扱うのを業とした問屋廻船問屋。ふなどんや。

ふな‐どんや【船問屋】

ふなどいや

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精選版 日本国語大辞典 「船問屋」の意味・読み・例文・類語

ふな‐どいや‥どひや【船問屋】

  1. 〘 名詞 〙 全国各港にあって、廻船荷主とのあいだに入り荷物の積込み・水揚げおよび廻船の手配などの業務を周旋する業。船宿。廻船問屋。ふなどんや。
    1. [初出の実例]「仕出しては浪にはなるる舟問屋〈卜尺〉 秤(はかり)の棹(さを)に見る鴎尻(かもめじり)〈一鐵〉」(出典:俳諧・談林十百韻(1675)下)

ふな‐どんや【船問屋】

  1. 〘 名詞 〙 「ふなどいや(船問屋)」の変化した語。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「船問屋」の意味・わかりやすい解説

船問屋(ふなどいや)
ふなどいや

廻漕(かいそう)問屋または廻船(かいせん)問屋ともいう。江戸時代から明治前期にかけて活躍した船舶運送取次ぎ人あるいは取扱い人のことである。かならずしも船舶を所有せず、船主傭船(ようせん)契約を結び、荷主から依頼された貨物を輸送したり、荷主からの貨物を船主に取り次ぐことを主要業務とした。積み荷、廻船仕立ても業務に含まれる。商品取扱業である問屋、輸送人である沖船頭、この両者を取り次ぐ船問屋が分化するようになったのは全国的な商品流通が発展した江戸前期のことで、とくに上方(かみがた)―江戸間の海上輸送にあたった菱垣(ひがき)廻船と樽(たる)廻船が有名である。明治中期以降、汽船会社がおこるにつれて、船舶ブローカーが船問屋にとってかわるようになり、船問屋はしだいに消滅した。

[宮本又郎]


船問屋(ふなどんや)
ふなどんや

船問屋

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「船問屋」の意味・わかりやすい解説

船問屋
ふなどんや

江戸時代から明治初期までの廻船問屋をいう。積荷集荷,船主との契約による積荷の運送などの業務を営んだ。

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