伊蘭(読み)いらん

精選版 日本国語大辞典 「伊蘭」の意味・読み・例文・類語

いらん【伊蘭】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] eraṇḍa の音訳 ) クマツヅラ科高木。インドの熱帯に生える。幹は高さ五メートル以上になる。全体に臭気がある。葉は対生、心臓状卵形で、長さは五センチメートルぐらい。花は白色で枝先に多数密集してつく。悪臭があって、「観仏三昧海経」では、それが四十由旬(ゆじゅん)(およそ二万六〇〇〇キロメートルあまり)の遠方にまでも及ぶとして、香木の栴檀(せんだん)菩提(ぼだい)にたとえるのに対してこの木を煩悩(ぼんのう)にたとえる。
    1. [初出の実例]「たとへば、伊蘭と云樹あり。その香くさくして、一枝一葉をかぐに、ゑひふして死門に入」(出典:九冊本宝物集(1179頃)九)
    2. [その他の文献]〔観仏三昧海経‐一〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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