伊賀神戸(読み)いがかんべ

日本歴史地名大系 「伊賀神戸」の解説

伊賀神戸
いがかんべ

上野市上神戸かみかんべ・下神戸辺りに置かれた伊勢神宮の神戸。大同元年牒(新抄格勅符抄)に「伊賀廿戸」とある。天慶九年(九四六)八月二六日付伊賀神戸長部解案(光明寺古文書)によれば、大神宮領名張なばり山の預職を、公民に与えるのを停止して神戸の子弟に与えるよう訴え、神宮から認められている。成立は不明だが、倭姫命神霊を奉じ伊賀穴穂あなほ(現神戸神社)に一時とどまった時、伊賀国造らが貢進したと伝え(倭姫命世記)、建久三年(一一九二)八月日の神領注文(神宮雑書)に「神戸国造貢進二宮御領」とある。「延喜式」は神宮の六月・一二月の月次祭のために「伊賀国神酒二缶」(六斗)、九月の神嘗祭に神酒二缶のほか「伊賀国封戸」は四〇束を出すと定めている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報