伊部郷(読み)いべごう

日本歴史地名大系 「伊部郷」の解説

伊部郷
いべごう

田河たがわ庄の内。伊部付近にあたる。保元三年(一一五八)三月一二日の年紀をもつ大浦共有大般若経奥書(東浅井郡志)に「浅井郡法勝寺御庄伊部郷」とみえる。建永元年(一二〇六)六月五日の藤原兼子申状(三長記)によれば兼子が中野なかの(現虎姫町)とともに当郷を領有していたことが知られる。

室町時代には京都大覚寺の不壊化身院が当郷一円の進止権を有しており、応永一一年(一四〇四)四月二一日の室町幕府御教書(永田文書)によれば「三分壱庶子」の奥入道舜照が進止権を無視して「十禅師」に粟田を寄進したことを同院が訴えており、同人の召喚を幕府が守護六角満高に命じている。


伊部郷
いべごう

和名抄」高山寺本・東急本とも訓を欠く。天平神護二年(七六六)一〇月二一日付越前国司解(東南院文書)に郷名がみえ、「三代実録」貞観一五年(八七三)一二月二日条には越前国敦賀郡人右大史正六位上伊部造豊持の人名が載る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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