似たり(読み)ニタリ

デジタル大辞泉 「似たり」の意味・読み・例文・類語

に‐たり【似たり】

にせもの。まがいもの。
近世関東地方河川で用いられた、平田船に似た大型の川船一種

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「似たり」の意味・読み・例文・類語

に‐たり【似たり】

〘名〙 (「似たり」から)
① ある物に似せて作ったもの。にせもの。まがいもの。にたりもの。
※咄本・初音草噺大鑑(1698)七「その金つばによう似た月でござる。したが、あのやうにひかる月夜をば、にたりいふ物じゃげな」
② 牛の角を用いて鼈甲(べっこう)に似せて作ったもの。
洒落本・浪花花街今今八卦(1784)「贋鼈(ニタリ)の笄(かんざし)を四五本さす」
③ 香木の名。分類は伽羅(きゃら)。香味は苦甘鹹。六十一種名香の一つ。蘭奢待に似ているところからの名。本名は「正歩寺」。
※山上宗二記(1588‐90)「似 木処迦羅也、〈略〉中程より後蘭奢待の様にたち候とて扨て似たりと云也」
狂言面白蔵主(はくぞうす)」の別名。僧の面であるが、狐の化けた僧であるため、狐の感じを残していることによる名称。〔わらんべ草(1660)〕
⑤ 「にたりがき(似柿)」の略。〔俳諧・手挑灯(1745)〕

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