朝日日本歴史人物事典 「似我与左衛門」の解説
似我与左衛門
生年:永正3?(1506)
戦国時代の太鼓役者。前名与五郎国広。祖父は観世座小鼓の名手,与五郎吉久(美濃権守)。父は太鼓役者の次郎大夫国忠(法名宗〓)。6世観世大夫元広の娘婿。足利義晴・義輝・義昭の3代の室町将軍の周辺で活動,特に義輝からは囃子方にとって最高の栄誉とされる浅葱の調べ緒の使用を許されるなどの愛顧を受けた。義輝時代から細川藤孝(のちの幽斎)の太鼓の師となり,伝書を相伝するなど,ふたりの師弟関係は長期にわたって続いた。彼の手による20点近くの伝書類は『国広伝書』と総称され,その資料的価値は高い。
(石井倫子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報