国広(読み)クニヒロ

デジタル大辞泉 「国広」の意味・読み・例文・類語

くにひろ【国広】

[1531~1614]安土桃山時代から江戸初期の刀工日向ひゅうがの人。姓は田中信濃守しなののかみ受領。京都一条堀川に住み、堀川派を立てた。作刀貫禄門人の多いことで、新刀界の第一人者とされる。

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精選版 日本国語大辞典 「国広」の意味・読み・例文・類語

くにひろ【国広】

  1. 安土桃山・江戸初期の刀工。日向の人。埋忠明寿に師事正親町(おおぎまち)天皇御剣を作り、信濃守に任ぜられる。のち京都一条堀川に住んで堀川一派をたて、新刀製作の第一人者とされた。享祿四~慶長一九年(一五三一‐一六一四

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「国広」の解説

国広 くにひろ

1531-1614 織豊-江戸時代前期の刀工。
享禄(きょうろく)4年生まれ。日向(ひゅうが)(宮崎県)飫肥(おび)城主伊東義祐(よしすけ)の家臣。主家の没落後,山伏刀鍛冶(かじ)となり,九州から東国遍歴。京都一条堀川に定住し,国安,国貞らの弟子をそだて,堀川派の祖,新刀の祖とよばれる。銘は「旅泊庵主国広」「信濃守(しなののかみ)藤原国広」など。足利学校にいたころ打った刀「山姥切(やまうばぎり)」をはじめ11口(ふり)が重文に指定されている。慶長19年4月18日死去。84歳。姓は田中。

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世界大百科事典(旧版)内の国広の言及

【山城物】より

…埋忠家は元来,刀の磨上げ,拵(こしらえ)・金具の製作を家業としていたが,明寿は作刀にも長じ,それまでの古刀期にはなかった濃厚な彫物を施した装飾豊かな作風を展開し,新刀の祖といわれている。これとは別に,地方からの移住者も多く,一条堀川には日向出身の国広が,西洞院には美濃出身の伊賀守金道,丹波守吉道,越中守正俊兄弟ら三品派がいて,それぞれ一派を開いた。国広一門は二十数名の刀工を擁し,初期新刀最大の派を形成し,金道の後代は日本鍛冶惣匠を名乗り,刀鍛冶の受領銘授与に関して朝廷との仲介役を務め,権力をもった。…

※「国広」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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