朝日日本歴史人物事典 「佐々木志頭磨」の解説
佐々木志頭磨
生年:元和5(1619)
江戸前期の書家。名は「頭を志して磨す」意というが,一説に志津磨とも。号は松竹堂,専念翁など。通称は七兵衛,七右衛門。京都(一説に加賀)の生まれ。書ははじめ大師流の藤木敦直に学んだが,のち南宋の張即之らの書や日本へ持ち込まれた『内閣秘伝字府』を学び,志頭磨流と呼ばれる唐様の一派を築いた。志頭磨は,玉盤(黒漆板)に水を用いて執筆する教授法をとり,その雄渾な書は多くの門人に継承された。息子の春をはじめ,志頭磨と同じ名,号を名乗る者が現れ,史実が混然としている部分もあるが,このことは志頭磨流の盛行を物語るものともいえよう。<参考文献>河喜多真彦『古今墨蹟鑒定便覧』
(永由徳夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報