…光悦の覇気に対して流麗な筆致を誇る松花堂昭乗は,最初に大師流を習い,作品のところどころにその片鱗を見せている。 大師流は弘法大師が創始した筆法として江戸初期ころに唱道された流派であるが,松花堂と同時代の藤木敦直が第一人者で,賀茂流とも称して宮廷貴族や文人の間に重用された。この書流は空海の筆跡のすべてを受け継いだものではなく,その一部に見られる特別な筆法の中に神秘的な精神性を見いだし,その故実秘伝が生み出されたのではないかと思われる。…
※「藤木敦直」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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