藤木敦直(読み)ふじき あつなお

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤木敦直」の解説

藤木敦直 ふじき-あつなお

1582-1649 江戸時代前期の書家
天正(てんしょう)10年京都賀茂(かも)神社神職の家に生まれる。19歳まで文字がよめなかったが発憤して大師流三蹟(さんせき)の書をまなび,藤木流(賀茂流,甲斐流ともよぶ)を創始した。後水尾(ごみずのお)天皇から書博士に任じられた。慶安2年1月4日死去。68歳。通称は甲斐。号は正心斎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の藤木敦直の言及

【書】より

…光悦の覇気に対して流麗な筆致を誇る松花堂昭乗は,最初に大師流を習い,作品のところどころにその片鱗を見せている。 大師流は弘法大師が創始した筆法として江戸初期ころに唱道された流派であるが,松花堂と同時代の藤木敦直が第一人者で,賀茂流とも称して宮廷貴族や文人の間に重用された。この書流は空海の筆跡のすべてを受け継いだものではなく,その一部に見られる特別な筆法の中に神秘的な精神性を見いだし,その故実秘伝が生み出されたのではないかと思われる。…

※「藤木敦直」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android