…大坂の陣に取材した〈大坂軍記物〉中の代表作。時代を鎌倉期に設定し,北条時政(徳川家康に擬した人物)と源頼家(豊臣秀頼)との確執を基本的な対立として,それに宇治の方(淀君),時姫(千姫),佐々木盛綱・高綱兄弟(真田信幸・幸村),三浦之助(木村重成),和田兵衛(後藤又兵衛),片岡造酒之頭(片桐且元)らの動向をからませて複雑な構想を展開させたもの。推理小説的に組み立てられた緻密な筋立ての中に,それぞれに対照的な性格をそなえた人物たちが多数登場させられて次々と意表をついた事件が繰り広げられていくというところに,いかにも半二の作品らしい技巧的な作劇法を見いだすことができる。…
※「佐々木盛綱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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