佐野[市](読み)さの

百科事典マイペディア 「佐野[市]」の意味・わかりやすい解説

佐野[市]【さの】

栃木県南西部,渡良瀬川北岸にあり,足尾山地の南麓を占める市。1943年市制。足利市の東に接し,渡良瀬川を境に群馬県館林市と接する。中心市街は江戸時代,天明(てんみょう)宿と呼ばれ,日光例幣使街道宿場町として栄えた。現在は両毛線と東武佐野線が交差する交通要地。東北自動車道,北関東自動車道が通じる。北東部の犬伏も旧宿場町。古くから天明釜などの鋳物,縮の産地として有名で,人形,鯉幟(こいのぼり),瓦,漆器など在来工業も行われる。第2次大戦後は急激に縫製業が発展し,現在は婦人・子ども服縫製業のほか,精密機械,プラスチック,輸送用機械などの大規模工場が進出している。北部の葛生地区には石灰岩層(鍋山層)があり,石灰石,ドロマイトが採掘され,大規模なセメント工場,ドロマイト工場が立地する。関東三大師の一つ,佐野厄除大師がある。2005年2月安蘇郡田沼町,葛生町を編入。東日本大震災で,市内において被害が発生。356.04km2。12万1249人(2010)。
→関連項目両毛線

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報