佐野の松原(読み)さののまつばら

日本歴史地名大系 「佐野の松原」の解説

佐野の松原
さののまつばら

[現在地名]新宮市佐野

佐野の海浜を通る熊野街道大辺路に沿う松林。古くからあったようで、「中右記」天仁二年(一一〇九)一〇月二七日条は、阿須賀あすか王子奉幣の後、「廿町許行出海浜、西行廿町許地有翠松列」と記している。熊野詣をした後鳥羽院・藤原定家に次の歌がある。

<資料は省略されています>

「平家物語」巻一〇(熊野参詣)は、出家して熊野詣をする平維盛が阿須賀社参拝ののち「佐野の松原さし過ぎて」那智に向かったことを記し、「源平盛衰記」巻四〇(維盛入道熊野詣)は「佐野の浜路に著給へば、北は緑の松原影滋く、南は海上遥に際もなし」と述べている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android