…一方,陸生の動物では,厚い殻に包まれた卵を産んだり,真胎生過程を採用して妊娠によって子孫を得るために,受精は雌雄の交尾後,雌の体内で起こる。このような受精様式は体内受精と呼ばれる。水生動物のなかには,体内受精を行うものも少なくない。…
…体外受精とは,一般には精子と卵子の合体,すなわち受精がその動物の体外,ふつうにはその動物のすむ水中で行われることをさす。しかし哺乳類など(たとえばヒト)で体外受精という場合には,これらの動物で自然に行われている体内受精internal fertilization,すなわち,雌雄の交尾(男女の性交)によって雌(女性)の体内で行われる体内受精を人為的に生体外の場で行わせること,およびそのような受精を行わせる操作一般をさす。 このような意味での体外受精の研究は,受精卵の発育,代謝など受精・胚発生の機構を明らかにするだけでなく,臨床的には避妊方法の開発や先天性異常の発現予防への土台となり,さらに卵管不妊に対する治療法(試験管ベビー)として実用化されている。…
※「体内受精」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」