依那具村(読み)いなぐむら

日本歴史地名大系 「依那具村」の解説

依那具村
いなぐむら

[現在地名]上野市依那具

四十九しじゆうく村の南。天喜四年(一〇五六)の藤原実遠所領譲状案(東南院文書)大内おおうち郷に「依那具村 在条里坪付」とあり、実遠から甥の信良に譲られている。縄文前期の土器出土した依那具丘陵遺跡が標高一九三メートルの三角点西側にあり、ここから下友生しもとものに至る道は飛鳥時代の東海道で、壬申の乱にも利用されたと考えられている。東の丘陵に数十基の古墳がある。住吉すみよし神社旧社殿下の五世紀前半とみられる古墳からは碧玉製の勾玉・管玉、滑石製の小勾玉・管玉・臼玉が多数出土した。六世紀半ばの二ッ峠ふたつとうげ須恵窯跡もある。鉄滓・窯壁片なども出土した尾根上の沢田さわだ遺跡は、「続日本紀」養老六年(七二二)三月一〇日条の「伊賀国金作部東人」、「延喜式」(木工寮)にある鍛冶戸の伊賀三烟にかかわると思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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