価格効果・所得効果(読み)かかくこうかしょとくこうか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「価格効果・所得効果」の意味・わかりやすい解説

価格効果・所得効果
かかくこうかしょとくこうか

財・サービスの価格や所得の変化が経済に及ぼす影響をそれぞれ価格効果price effect、所得効果income effectという。具体的に消費者の最適化行動を考えてみる。予算制約のもとで財から得られる効用を最大にしようとする消費者は、予算線と無差別曲線との接点Rに対応する二財の組合せを選択する。消費者にとり所得と両財の価格は所与であるが、たとえば第1財の価格が下落したとしよう。消費者は消費計画の変更を迫られる。この価格下落が両財の需要量に及ぼす効果が価格効果である。

 この価格効果は二つの効果に分解できる。ひとつは代替効果substitution effectといい、これは消費者に以前と同じ効用を補償するときに第1財の価格下落が両財の需要量に及ぼす効果を表すもので、第1財の需要量は増え、第2財のそれは減少する。他が所得効果であり、第1財が安くなったため以前と同一の所得でより多くの財が購入できる、つまり実質所得が増加した効果を表している。所得効果により財の需要が増えたり減ったりするが、前者を正常財、後者を劣等財(下級財)という。第1財が劣等財で所得効果が代替効果を優越するときには、価格が低下するとかえって需要量が減少するという、ギッフェンの逆説Giffen's paradoxが妥当する。

[内島敏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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