借訓(読み)しゃっくん

精選版 日本国語大辞典 「借訓」の意味・読み・例文・類語

しゃっ‐くん シャク‥【借訓】

〘名〙 「万葉集」など上代文献で、漢字を表音的に用いる方法一つ。固定した訓読みにより、その字を同音別語にあてて用いるもの。副助詞「だに」を表わすのに「谷」、完了の助動詞「つ」の連体形「つる」を表わすのに「鶴」と書く類。ひらがな、かたかなにも、「め」「メ」など借訓起源のものがある。

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デジタル大辞泉 「借訓」の意味・読み・例文・類語

しゃっ‐くん〔シヤク‐〕【借訓】

漢字を万葉仮名として用いて表記するとき、その漢字に固定した訓を、表記しようとする語に当てて用いるもの。副助詞「だに」を「谷」、形容詞「なつかし」を「夏樫」と書く類。

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普及版 字通 「借訓」の読み・字形・画数・意味

【借訓】しやくくん

仮借の訓。

字通「借」の項目を見る

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