借訓(読み)シャックン

デジタル大辞泉 「借訓」の意味・読み・例文・類語

しゃっ‐くん〔シヤク‐〕【借訓】

漢字万葉仮名として用いて表記するとき、その漢字に固定した訓を、表記しようとする語に当てて用いるもの。副助詞「だに」を「谷」、形容詞「なつかし」を「夏樫」と書く類。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「借訓」の意味・読み・例文・類語

しゃっ‐くんシャク‥【借訓】

  1. 〘 名詞 〙万葉集」など上代文献で、漢字を表音的に用いる方法一つ。固定した訓読みにより、その字を同音別語にあてて用いるもの。副助詞「だに」を表わすのに「谷」、完了の助動詞「つ」の連体形「つる」を表わすのに「鶴」と書く類。ひらがな、かたかなにも、「め」「メ」など借訓起源のものがある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「借訓」の読み・字形・画数・意味

【借訓】しやくくん

仮借の訓。

字通「借」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android