日本大百科全書(ニッポニカ) 「倶留尊山」の意味・わかりやすい解説
倶留尊山
くろそやま
三重県津市美杉(みすぎ)町地区と奈良県宇陀(うだ)郡曽爾(そに)村との境にある山。室生火山群(むろうかざんぐん)の主峰で、標高1038メートル。中腹に倶留尊大権現(だいごんげん)を祀(まつ)り、山頂の東にある屏風(びょうぶ)岩は倶留尊石仏として古くから山岳信仰の対象である。溶結性凝灰岩(室生火山岩)からなり、山頂直下に高さ200メートル、幅1キロメートルの柱状節理の断崖(だんがい)がある。標高600メートル付近には倶留尊、池ノ平、曽爾などの高原が広がり、登山、キャンプが楽しめる。曽爾高原はススキの名所として知られ、池ノ平には湿原が広がる。室生赤目青山国定公園(むろうあかめあおやまこくていこうえん)に属し、近畿日本鉄道大阪線名張(なばり)駅などから登山口までバスがある。
[伊藤達雄]