偏諱(読み)ヘンキ

デジタル大辞泉 「偏諱」の意味・読み・例文・類語

へん‐き【偏×諱】

貴人などの二字名の中の一方の字をみ避けること。また、その二字名の一方の字。

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精選版 日本国語大辞典 「偏諱」の意味・読み・例文・類語

へん‐き【偏諱】

  1. 〘 名詞 〙 貴人などの二字以上の名の中の一字。また、その一字を忌(い)み避けること。
    1. [初出の実例]「避諱、至尊の御名をさくる事、臣子の礼なる事は論なし〈略〉然といへども、二名偏諱せざると云に拠て、二字の御名を、一字宛、憚事は有ま敷事なり」(出典:古今要覧稿(1821‐42)一六)
    2. [その他の文献]〔礼記‐曲礼・上〕

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「偏諱」の解説

偏諱
へんき

天皇将軍大名などの実名(じつみょう)の1字のこと。とくにその貴人を敬って,その字を用いることを忌み避けることが行われた。逆に功績ある臣下に主人の名の1字が与えられることは栄誉とされ,これを「偏諱を賜う」という。足利高氏(たかうじ)が後醍醐天皇の名「尊治」の1字を賜って「尊氏」と称したのはその好例

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