傅翕(読み)フキュウ

デジタル大辞泉 「傅翕」の意味・読み・例文・類語

ふ‐きゅう〔‐キフ〕【傅翕】

傅大士ふだいし

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「傅翕」の意味・わかりやすい解説

傅翕
ふきゅう
(497―569)

中国、梁(りょう)代から陳(ちん)代初期の在俗の仏教者。東陽郡烏傷(うしょう)県(浙江(せっこう)省義烏(ぎう)県)稽停里(けいていり)の人。俗姓は傅氏。名は翕(一説に弘)。字(あざな)は玄風。善慧(ぜんえ)と号し、傅大士、双林(そうりん)大士、東陽(とうよう)大士、烏傷居士(うしょうこじ)と称される。520年24歳のとき、胡(こ)の僧嵩頭陀(すうずだ)(名は達摩)に教諭されて仏教に帰し、同県の松山に入り庵(いおり)を結び、妻の妙光(みょうこう)とともに耕作に従事しながら仏法を敷衍(ふえん)した。528年に無遮大会(むしゃだいえ)(僧尼貴賤(きせん)いっさいの区別なく集まった人すべてに供養し布施する法会)を設けて飢饉(ききん)を救い、また梁の武帝(蕭衍(しょうえん))の信任を得た。540年に松山に双林(そうりん)寺を造営し、大蔵経閲覧に便利なように輪蔵を考案した。また捨身を説き、梁末~陳初にはたびたび斎会(さいえ)を営むなど、衆生(しゅじょう)救済の利他行を事とした。『心王銘』『還源詩』、『語録』4巻などを著す。

[伊藤隆寿 2017年4月18日]

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