精選版 日本国語大辞典 「捨身」の意味・読み・例文・類語
しゃ‐しん【捨身】
すて‐み【捨身】
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仏や仏の教えに対して身体をなげうって供養(くよう)したり、他の生き物を救うために自己の身を布施(ふせ)する修行。亡身(もうじん)、焼身(しょうしん)ともいう。仏教では、捨身は菩薩(ぼさつ)修行中のもっとも困難なものとされ、禁じられている自殺と厳密に区別されている。経典のなかではジャータカ(仏の本生譚(ほんじょうたん))として説かれていることが多い。たとえば『賢愚経(けんぐきょう)』などにみえる、鳩(はと)の命を救うためにわが身の肉を切り与えた尸毘王(しびおう)の物語や、大乗の『涅槃経(ねはんぎょう)』中の、帝釈(たいしゃく)の化身(けしん)である鬼が唱えた「諸行無常(しょぎょうむじょう)、是生滅法(ぜしょうめっぽう)」の後半の句を知るために、その鬼にわが身を与えた捨身羅刹(しゃしんらせつ)の物語などである。『金光明経(こんこうみょうきょう)』には薩埵(さった)太子が飢えたトラに身を投げ出して無上の涅槃を求めた捨身飼虎(しゃしんしこ)の話が、『法華経(ほけきょう)』には薬王(やくおう)菩薩が仏や舎利(しゃり)に対して自らの身体を焼いて供養した焼身供養が説かれているが、中国では法華(ほっけ)信仰の隆盛とともにこれにちなんで実際に焼身の例がみられた。また、わが国でも鎌倉時代に浄土信仰が盛んになると、焼身や入水(じゅすい)などが行われるに至った。
[藤井教公]
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