デジタル大辞泉 「儘に」の意味・読み・例文・類語 まま‐に【×儘に/▽随に】 [連語]《名詞「まま」+格助詞「に」》1 …のとおりに。…にまかせて。「感じた―描く」「気の向く―旅をする」2 …につれて。…とともに。「日が暮れゆく―気温が下がってくる」3 …ので。…ために。「いみじく心もとなき―等身に薬師仏を作りて」〈更級〉4 …と同時に。…するやいなや。「旗一流れ給はってさす―、その勢わづかに十六騎、みな白装束にて馳はせむかふ」〈平家・一一〉[補説]多く連体修飾語を受けて、接続助詞のように用いられる。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「儘に」の意味・読み・例文・類語 まま【儘】 に 用言の連体形に付いて、接続助詞のように用いられる。上の句によって示される動作や状態に追従して、次の行動がなされる意を表わす。→「まにまに」の語誌。① ある動作や状態の存在を認めて、それに応じて次のことがなされる意を示す場合。…のとおりに。…するとおりに。…であるにまかせて。[初出の実例]「つくづくと暇(いとま)のあるままに物縫ふことを習ひければ」(出典:落窪物語(10C後)一)② ある動作や状態の変化に応じて、次の事態が出現する意を示す場合。…するにつれて。…に従って。[初出の実例]「女、親なく頼りなくなるままに、諸共に言ふかひなくてあらんやはとて」(出典:伊勢物語(10C前)二三)③ ある事態を起因として、次の事態が出現する意を示す場合。…であるために。…であったので。[初出の実例]「いかでか腹立たせよとは言はすべきと、いとねたきままに思ひたばかる」(出典:落窪物語(10C後)一)④ ある事態から、間を置かずに次の事態が出現する意を示す場合。…するとすぐ。…するやいなや。[初出の実例]「御前なる硯に手まさぐりして〈略〉と書くままに消えぬ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)祭の使) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例