儘に(読み)ママニ

デジタル大辞泉 「儘に」の意味・読み・例文・類語

まま‐に【×儘に/随に】

[連語]《名詞「まま」+格助詞「に」》
…のとおりに。…にまかせて。「感じた―描く」「気の向く―旅をする」
…につれて。…とともに。「日が暮れゆく―気温が下がってくる」
…ので。…ために。
「いみじく心もとなき―等身に薬師仏を作りて」〈更級
…と同時に。…するやいなや。
「旗一流れ給はってさす―、その勢わづかに十六騎、みな白装束にてせむかふ」〈平家一一
[補説]多く連体修飾語を受けて、接続助詞のように用いられる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「儘に」の意味・読み・例文・類語

まま【儘】 に

  1. 用言連体形に付いて、接続助詞のように用いられる。上の句によって示される動作や状態に追従して、次の行動がなされる意を表わす。→「まにまに」の語誌
  2. ある動作や状態の存在を認めて、それに応じて次のことがなされる意を示す場合。…のとおりに。…するとおりに。…であるにまかせて。
    1. [初出の実例]「つくづくと暇(いとま)のあるままに物縫ふことを習ひければ」(出典落窪物語(10C後)一)
  3. ある動作や状態の変化に応じて、次の事態が出現する意を示す場合。…するにつれて。…に従って。
    1. [初出の実例]「女、親なく頼りなくなるままに、諸共に言ふかひなくてあらんやはとて」(出典:伊勢物語(10C前)二三)
  4. ある事態を起因として、次の事態が出現する意を示す場合。…であるために。…であったので。
    1. [初出の実例]「いかでか腹立たせよとは言はすべきと、いとねたきままに思ひたばかる」(出典:落窪物語(10C後)一)
  5. ある事態から、間を置かずに次の事態が出現する意を示す場合。…するとすぐ。…するやいなや。
    1. [初出の実例]「御前なる硯に手まさぐりして〈略〉と書くままに消えぬ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)祭の使)

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