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先住民問題 せんじゅうみんもんだい

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知恵蔵2015の解説

先住民問題

中南米各地には、かつてアジアからベーリング海峡を渡って移住したモンゴロイドの末裔(まつえい)の先住民族が住んでいる。15世紀のスペインポルトガルの侵略以来、彼らは白人支配の下に置かれてきた。今日でも一般に山間部に住み、開発の恩恵から取り残されている。人権の回復を求める動きが各地で起き、メキシコペルーなどでは反政府ゲリラ活動となっている。1992年、コロンブス新大陸到達から500年を機に、各地で人権運動が高まり、93年には、グアテマラのリゴベルタ・メンチュがノーベル平和賞を受賞し、その呼びかけで同年、同国で第1回先住民サミット開かれた。94年には、「平和のための先住民イニシアチブ」を創立。2001年5月には、世界の先住民の指導者約200人がパナマで先住民指導者世界会議を開き、先住民の人権や文化が無視されていることを批判する宣言を採択した。

(伊藤千尋 朝日新聞記者 / 2007年)

先住民問題

植民地となった地域の先住民は、居住地域から締め出され、開発の恩恵にあずかっていない。米国では、1960年代に全米インディアン会議が開催されて解放運動が高まり、82年のカナダ憲法では先住民の権利が考慮された。オーストラリアでも、アボリジニーの権利と開発問題で紛争が生じている。国連人権小委員会の中にも先住民問題の作業部会が設けられ、83年から検討を開始し、各種の非政府組織(NGO)が先住民保護問題を取り上げた。国連はこの問題の重要性を認め、93年を国際先住民年に指定、94年から世界の先住民族のための国連10年が始まった。2000年7月に国連の経済社会理事会(ECOSOC)が先住民問題常設フォーラムを設立。その委員の半数は先住民から選ばれ、第1回会期が、02年5月に開催された。

(宮崎繁樹 明治大学名誉教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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