先天性トキソプラズマ症(読み)センテンセイトキソプラズマショウ

デジタル大辞泉 「先天性トキソプラズマ症」の意味・読み・例文・類語

せんてんせい‐トキソプラズマしょう〔‐シヤウ〕【先天性トキソプラズマ症】

胎児新生児に起こるトキソプラズマ‐しょうトキソプラズマ症。妊娠中の女性がトキソプラズマトキソプラズマに初めて感染した場合、胎盤を通過して胎児に感染し、発症することがある。多くの場合、母親には症状は現れない。妊娠初期に感染すると、死産自然流産となったり、重症化する傾向があり、脈絡膜炎水頭症脳内石灰化脳内石灰化などを引き起こす。妊娠中後期に感染した場合、出生時には症状がなく、成長とともに視力障害や神経症状などが現れることがある。
[補説]予防策として、食肉はよく火を通して調理する、果物や野菜は食べる前によく洗う、食肉や野菜に触れた後は温水で手を洗う、園芸・農作業・ペットの糞尿処理などの際には手袋を着用する、妊娠初期から抗体検査を受けること、などが推奨されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「先天性トキソプラズマ症」の意味・わかりやすい解説

先天性トキソプラズマ症
せんてんせいときそぷらずましょう

トキソプラズマ

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世界大百科事典(旧版)内の先天性トキソプラズマ症の言及

【トキソプラズマ症】より

…問題になるのは妊婦がはじめて感染を受けた場合で,虫体が胎盤を通って胎児に移行し,胎児に脳や眼をはじめとする全身感染を起こすことが知られている。これは先天性トキソプラズマ症といわれるが,初感染を受けた妊婦の約1/3の胎児に起こるといわれる。妊娠初期に感染すると多くは流産,死産となるが,妊娠後半に感染すると,生まれた新生児に脈絡網膜炎,水頭症,脳内石灰化がみられたり,ときには痙攣(けいれん),貧血,黄疸遷延,肝脾腫などがあらわれる。…

※「先天性トキソプラズマ症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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