光ヶ峯(読み)ひかりがみね

日本歴史地名大系 「光ヶ峯」の解説

光ヶ峯
ひかりがみね

[現在地名]那智勝浦町市野々

熊野那智大社の東方、市野々いちのの北方にそびえる、標高六八五・五メートル。最勝峯さいしようのみね妙法みようほう山とともに那智三峯の一で、その第一峰とされる。住心院僧正実意の「熊野詣日記」応永三四年(一四二七)一〇月二日条に「光か峯」とみえ、名の由来について「光か峯ハ、同大師(智証大師円珍)大乗経をおさめ給けるに、瑞光をはなし給ゆへに、光か峯と申とかや」と記す。中世以降は妙法山・最勝峯仏頂ぶつちよう山などとともに那智山の秘所の一に数えられ、戦国時代末頃の熊野山略記には「頂有池、加利帝母神母女放光故、号光峯、彼池奉納五部大乗経、皆放光故号光峯、依此経功徳、池蛇得脱故、池無水為山云々」とあり、頂上にある池に五部大乗経を奉納する山伏修行の伝統があったことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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