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吉野熊野国立公園 よしのくまのこくりつこうえん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

吉野熊野国立公園
よしのくまのこくりつこうえん

奈良県和歌山県三重県の 3県に広がる自然公園。面積 614.06km2。1936年指定。1950年潮岬地区,1965年洞川地区(どろがわちく),1970年錆浦地区(さびうらちく),1975年鬼ヶ城以北の海岸地区,2015年和歌山県南西部の県立自然公園地区をそれぞれ追加指定。山岳,渓谷,海岸の景観が中心。大峰山脈大台ヶ原山などの山岳地帯を中心に,北山川の北山峡と瀞八丁(→瀞峡),和歌山県の田辺市東部から新宮市にいたる熊野川流域,鬼ヶ城,七里御浜大島,潮岬などの熊野灘沿岸,枯木灘を望む近畿自然歩道(長井坂)や展望台,三段壁田辺湾,飛び地として吉野山那智山を含む。吉野山は古くからのサクラの名所で,南北朝時代の歴史に富んだところとして知られる。大峰山(→山上ヶ岳)は修験道の道場で,女人禁制で有名。大台ヶ原山は約 1500mの準平原である。新宮市で海に注ぐ北山川は,上流では早瀬激流,奥瀞,瀞八丁となり,特に瀞八丁は,北山川の河床の削剥によってできた深淵である。吉野山地の天川村と五條市との境にあるオオヤマレンゲ自生地および八剣山(仏経ヶ岳)原始林はともに国の天然記念物。三重県熊野市の鬼ヶ城から和歌山県みなべ町にいたる海岸は,隆起海岸特有の地形が続き,鬼ヶ城,七里御浜(国指定史跡),勝浦,玉ノ浦,太地岬,潮岬,三段壁など南国的な海岸風景が続き,田辺湾中の泥岩岩脈のある鳥巣半島や暖地性植物群落のある神島(かしま)は国の天然記念物に指定されている。また熊野詣の本宮,新宮,那智の熊野三山(国指定史跡),那智観音,名瀑の那智滝(国指定名勝)など名勝が多い。温泉も豊富で,勝浦温泉湯川温泉川湯温泉湯ノ峰温泉椿温泉白浜温泉などがある。和歌山県南端の串本(錆浦)は串本海域公園地区に指定されている。

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百科事典マイペディアの解説

吉野熊野国立公園【よしのくまのこくりつこうえん】

奈良・三重・和歌山3県にまたがる国立公園。面積597.98km2。1936年指定,1954年潮岬(しおのみさき)地区,1965年洞川地区追加指定。奈良・三重県境の大峰山大台ヶ原山の山岳地帯,北山峡や瀞(どろ)峡熊野三山など熊野川と支流北山川の流域,鬼ヶ城,七里御浜,橋杭岩,紀伊半島南端の大島と潮岬などを含む熊野灘の海岸,飛地の吉野山那智山などの地区に分かれ,多雨地帯のため深い森林と峡谷が形成されて植物の宝庫といわれる。
→関連項目大杉峡谷川湯[温泉]紀伊山地紀勢本線北山川串本[町]熊野[市]熊野川熊野川[町]太地[町]田辺[市]奈良[県]本宮[町]三重[県]御浜[町]和歌山[県]

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大辞林 第三版の解説

よしのくまのこくりつこうえん【吉野熊野国立公園】

奈良・三重・和歌山の三県にまたがる国立公園。吉野山・大台ヶ原山・那智の滝・瀞どろ八丁・熊野三社・潮岬しおのみさきなどを含む。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔奈良県(三重県・和歌山県)〕吉野熊野国立公園(よしのくまのこくりつこうえん)


奈良・三重・和歌山3県にまたがる国立公園。紀伊(きい)山地東部の山岳と熊野灘(なだ)沿岸部、吉野山と那智(なち)山からなる。陸域面積5万9793ha、海中公園7ヵ所計67.3ha。1936年(昭和11)指定。1949年以降、潮(しおの)岬地区などを追加。山上ヶ(さんじょうが)岳・大台ヶ原(おおだいがはら)山の山岳、瀞(どろ)峡・北山(きたやま)峡の渓谷、潮岬一帯や尾鷲(おわせ)熊野海岸など変化に富んだ自然景観が特徴。吉野山は南北朝時代の史跡が多く、サクラの名所。大峰山の修験(しゅげん)道場、熊野三山などは2004年(平成16)「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産(文化遺産)に登録された。自然景観も那智滝・瀞八丁・大杉(おおすぎ)峡谷のほか、海岸には潮岬・橋杭(はしぐい)岩など景勝地が多い。那智勝浦(かつうら)町には勝浦温泉・湯川(ゆかわ)温泉などの温泉がわき、国民休暇村となっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

吉野熊野国立公園
よしのくまのこくりつこうえん

紀伊半島南東部、奈良、和歌山、三重の3県にまたがる国立公園。1936年(昭和11)の指定。その後、潮岬(しおのみさき)などが追加指定された。陸域面積597.93平方キロメートル。紀伊半島の脊梁(せきりょう)部をなす紀伊山地の一部である吉野山、大峰(おおみね)連峰、大台ヶ原(おおだいがはら)山などの山岳地と、半島東岸の熊野灘(なだ)沿岸地域、さらにその両方を結ぶ熊野川沿岸に大別される。
 大峰山脈の北端を占める吉野山は、南朝の史跡や金峯山(きんぷせん)寺など古社寺が多く、桜の名所でもある。その南には山上(さんじょう)ヶ岳、大普賢(だいふげん)岳、八剣山(はっけんざん)など近畿の屋根といわれる高峰が連なり、修験道(しゅげんどう)の行場として知られる。大峰山脈の東側を走る台高(だいこう)山脈の主峰大台ヶ原山は高原状の山で、その東縁には宮川の上流で深いV字谷をなす大杉谷(おおすぎだに)の峡谷がある。熊野灘沿岸は、約20キロメートルにわたって単調な隆起海岸の続く七里御浜(しちりみはま)のほかは出入りの多いリアス式海岸で、鬼ヶ城、紀ノ松島、橋杭岩(はしぐいいわ)、潮岬などの景勝地が点在する。熊野川の支流北山川には特別名勝・天然記念物の瀞(どろ)八丁がある。このほか熊野川流域には熊野三山の新宮の熊野速玉(はやたま)大社と熊野本宮大社があり、那智(なち)山には熊野那智大社と那智滝、青岸渡(せいがんと)寺などがある。海岸線を紀勢本線、国道42号が走るほか、吉野山へは近畿日本鉄道吉野線、ロープウェー、大台ヶ原山へはドライブウェー、瀞峡へは志古(しこ)(新宮市熊野川町日足(ひたり))からジェット船の便がある。[菊地一郎]

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